日本医科大学呼吸ケアクリニックによる慢性呼吸不全の診療内容を掲載しております。

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主な診療内容

慢性呼吸不全

特徴

呼吸は、息を吸う時に空気中の酸素(O2)を取り込み、吐く時に体内で産生された二酸化炭素(CO2)を排出します。この機能をガス交換といい、肺の病気が進行すると、ガス交換がうまくできなくなります。この状態を呼吸不全といい、呼吸不全が1か月以上続くと慢性呼吸不全と診断します。

原因として、COPD(肺気腫、慢性気管支炎)、結核後遺症が原因のことが多く、その他に気管支拡張症、間質性肺炎、脊椎側彎症などの胸郭の変形、神経筋疾患などが挙げられます。

診断

動脈血ガス分析(動脈血採血)で診断します。肺を通過してきたばかりの動脈血の酸素・二酸化炭素の量をみることで、ガス交換の機能を調べます。酸素の濃度が一定量以下になっている場合に呼吸不全と判断します。

検査

呼吸不全の原因を調べるため、レントゲン、CT、肺機能検査などを行います。また原因の病気により、血液検査、喀たん検査、運動負荷試験、心臓超音波検査、睡眠時呼吸障害検査なども行います。

治療

慢性呼吸不全の原因となった肺の病気の治療と、酸素吸入を行います。病院だけでなく自宅でも酸素吸入が可能です(在宅酸素療法)。これは自宅に設置した酸素供給器(酸素濃縮器といいます)から細長いチューブをとおして鼻から酸素を吸入します。また、携帯用酸素ボンベを使うことで外出や旅行も可能です。在宅酸素療法は健康保険が使えます。また条件を満たせば、身体障害者の申請も可能です。

酸素吸入を続けることで、身体に十分な酸素を取り込み、息切れを軽くします。酸素不足により肺の血流が悪くなるのを予防し、心臓の負担を軽減します。また、不眠や食欲不振を改善し、QOL(生活の質)を高めます。