吸入薬の選択について
一昔前と比べて現在は数多くの吸入薬が存在していますが、その違いを皆さんご存知でしょうか?喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)に使用される吸入薬は、その成分による効き方の違いで、ステロイド薬、β刺激薬、抗コリン薬の3種類に大きく分類できます。それぞれ得意とする病気の症状が異なっており、副作用も様々です。
おおまかな作用の特徴・副作用は、以下の通りとなります。
・ステロイド薬:炎症を鎮めたり、気道過敏を改善する作用があります。炎症やアレルギー反応が強いタイプの症状に効果的です。まれに声の擦れや、口内炎がおこることがあります。
・β刺激薬:交感神経を刺激して、空気の通り道である気管支を広げる作用があります。予防的に使用して長時間効果が続くものと、発作などが起きた時に使用して、すぐに効果があらわれるものがあります。まれに動悸や、指先の震えなどがおこることがあります。
・抗コリン薬:副交感神経を抑制して、気管支を広げる作用があるお薬です。まれに口の渇きを感じたり、おしっこが出しづらくなるなどの症状がおこることがあります。
これらのお薬を二剤、三剤と組み合わることで、多種多様な吸入薬が存在することになります。
喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といっても、患者さんひとりひとりの症状にあったお薬『吸入薬』を見極めるためには、専門的な知識が必要です。息苦しい、咳が続くなどの症状があって、治療してもよくならない経験がある方は是非ご相談ください。呼吸器専門医が診断いたします。なお、当クリニックには院内調剤所があります。お薬でお困りのことは、遠慮無く薬剤師までお尋ねください。
文責:薬剤師 稲毛