肺機能検査について
肺機能検査は採血や心電図と違い、あまり馴染みのない検査かもしれません。多くの方が初めて肺機能検査を受けるのは、人間ドックなどの健康診断かと思います。
健康診断で行う肺機能検査は「息を大きく吸った後、勢いよく息を吐いてもらう」検査です。この検査は肺活量と、吐き出してから1秒間に吐いた量を測定しており、この「1秒間に吐いた量」が少ないことから再検査で当院に来院されるケースが多いです。
1秒間に吐いた量が少ないと閉塞性肺疾患と言われる病気が疑われます。なかでも喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)が有名です。COPDは、主に喫煙者や元喫煙者の方に多く、残念ながら禁煙をされてから長い年月を経ても、喫煙時に受けた肺のダメージは回復しません。
検査は、検査技師の掛け声に合わせて大きく息を吸ってもらい、さらに掛け声に合わせて勢いよく吐いてもらいます。この吐く勢いがとても大切で、イメージとしては「10本並んでいるロウソクの火を一息で吹き消すような感じ」です。勢いよく吐いた後はすぐに息を止めず、できるかぎり長く吐いてもらうため、とても苦しい検査ではありますが、そこでどれだけ頑張れるかでデータが大きく変わります。
なかなか大変ですが、正しい診断のためには欠かせない検査です。健診で再検査とされた方にはご協力をお願いいたします。
文責:臨床検査技師 天野