吸入薬を正しく使えていますか? 日本医科大学呼吸ケアクリニック

コラム

吸入薬を正しく使えていますか?

吸入薬を用いた吸入療法は、薬剤を直接気道内に到達させ少量の投与で効果が得られ、全身投与に比べ副作用が少ないという特徴から、喘息やCOPDにおいてfirst-lineとしての位置づけがされている重要な治療法です。しかし、現実には吸入療法のアドヒアランスはあまり良くありません。その理由として、吸入器具は各社さまざまなものが出回っており操作や回数が単一化でなく煩雑になりやすいこと、方法が自己流になりやすいこと、うがいや持ち運びの手間などの理由が挙げられます。

皆さんが日ごろ行っている吸入方法は吸入薬をしっかりと肺全体に送り届けていますか?吸入療法も正しい方法で継続しないと病状が悪化し、緊急受診や入院が必要となる場合もあります。

当院での吸入指導では、個々の吸入器の正しい操作の説明とともに、ピットフォール(間違えやすい点)やクリティカルポイント(間違えると正しく吸えない点)を熟知した看護師が指導を行っていますが、今年の6月からは薬のことを熟知した薬剤師も院内に所属しております。1度きりの吸入指導では半年後には忘れてしまうというデータもあるため、初回の指導後も適宜、声掛けしながら、吸入手順や吸い方の確認などを実施しています。これは患者さんの治療へのアドヒアランスを維持するためにも重要なことです。現在の吸入薬や吸入方法に不安がある方は、医師、薬剤師、看護師までお気軽にお声がけください。

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