花粉と喘息の深~い関係(前編)
今年もスギ花粉飛散の時期がやってきました。
東京都では2月13日にスギ花粉の飛散開始が確認され、やはり同時期から症状を訴えて来院される患者さんが多くなってきました。
さて、花粉症といえば、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、皮膚のかゆみなどが一般的な症状ですが、喘息症状が出現したり悪化したりすることがあるのは、ご存じでしょうか?
喘息は「慢性的な気道の炎症」と定義されます。つまり、症状の無いときも「空気の通り道にずっと弱いやけどが続いている」ということです。そして、喘息患者さんの気道上皮(空気の通り道の表面)は、荒れて細かい隙間があいています。この隙間に花粉が入り込むと、それに反応して様々な炎症性サイトカイン*1が放出され、「やけど」が一段悪化した状態になります。その結果、痰が増える、気道が敏感になってちょっとしたことでせき込む、気道がむくんで狭くなり、喘鳴*2や息苦しさが出るといった症状が出やすくなります。
当院でも、2023年に行った重症喘息の患者さんに対するアンケートにおいて「花粉の時期に悪化する」と答えた方が、約8割いらっしゃいました。そのような方は、花粉の時期に治療を強化したほうがよい場合がありますので、かかりつけ医に相談しましょう。
また、「春になると咳が出る」「数年前からの花粉症をきっかけに、咳が一年中出るようになった」という方は、花粉をきっかけに喘息が始まったのかもしれません。「一時的で終わるから」と甘く見ないで、一度、呼吸器内科を受診してみてはいかがでしょう。
次回も、花粉と喘息の関係についてお話しします。
〈文責〉清水あゆみ
脚注
*1 炎症性サイトカイン:体の炎症反応を強める“伝達物質”
*2 喘鳴:ゼーゼー、ヒューヒューという音

